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せきが止まらない方へ
“せき”が止まらない
最近このような症状を訴える患者さんが増えています。8週間以上持続する“せき”を慢性咳嗽と定義されています。(日本呼吸器学会 2005年)
このような持続する“せき”の原因として
- せき喘息
- アトピー咳嗽
- 副鼻腔気管支症候群
- 慢性気管支炎
- 感冒後のせき
- 肺がん
- 間質性肺炎
- 肺結核
などさまざまな疾患があります。
この中で最近、増加傾向で注目されている疾患がせき喘息です。
この疾患は、せき止めはほとんど効かず将来、気管支喘息に移行する可能性もあります。
“せき”が長く続く時には一度、専門医の診察を受けることをお勧めします。
百日ぜきが増えている!
激しい“せき”が続く百日ぜきの患者さんが、最近、増加していることが、国立感染症情報センターの調べでわかりました。ワクチンを接種していない乳幼児が感染すると、2~3週間激しい“せき”が続き、重症になることもあります。
一方、成人の百日ぜきは、いままで、あまり注目されていませんでしたが、2007年5月、某大学内での集団感染が発生して以来、注目を集め、ここ数年間で増加傾向にあることが認められています。その理由としては、乳児期に行ったワクチンの作用は、約12年程度で消失してしまうことが考えられています。
成人の百日ぜきの特徴は、通常、感冒様症状の数日後に、空せきが持続することが多く、せき喘息やマイコプラズマ感染症などとの鑑別が必要です。
診断には、血清から百日ぜき抗体価を測定し総合的に診断します。
治療には、マクロライド系抗生剤を使用しますが、発症から来院まで時間が経過していることも多く、この場合には対症療法が中心になります。
欧米では、成人の長引くせきは百日ぜきが占めるとの報告もあり、今後は、長引くせきの場合、百日ぜきも考える必要があります。特に、ワクチン未接種の乳幼児と一緒に生活している成人の方は、せきが出始めてから3週間は百日ぜき菌を排出し続けるため、感染させないよう注意が必要です。